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BYODについて企業の立場から考える

これまで営業担当や保守メンテナンスなど、限られた職種の方が事務所外で業務に従事していました。
しかし昨今のコロナ禍により、多くの職種で在宅勤務を筆頭に事務所以外で業務を遂行する必要性が増してきました。

そこで今回はスマートフォンなどのICTデバイスを活用した業務遂行を考える際、個人所有のスマートフォンを業務に活用するBYODと内包されている問題点についてご案内します。

BYODとシャドーITとの違いは?

・BYODとは

BYODはBring Your Own Deviceの頭文字をとった言葉です。
日本語に訳すと「私的デバイスの活用」です。
BYODとは従業員が個人で所有するスマートフォンやパソコンなどの端末を職場に持ち込む、もしくは外出先や自宅で従業員自身の端末を業務で利用することです。
通常企業側で個人所有の端末利用を許可している状態を指します。

・シャドーITとは

いっぽうシャドーITとは、会社が許可・容認しない個人所有の端末や個人で契約しているSNSなどのクラウドサービスの利用を指します。
私用で利用しているLINEなどのSNSで同僚や取引先と業務情報を交換するのも会社に許可されていなければシャドーITとなります。

つまり、会社が主導で許可した状態で私用端末を業務に活用することをBYODと呼び、
会社が許可していないにもかかわらず、従業員が勝手に私用端末や私用のICTサービスを業務に利用することをシャドーITと呼びます。

BYODについて考える際は、単純に個人所有端末の活用のみでなく、私物の端末を用いて、電子メール、ファイルサーバ、データベースなどに、アクセスすることも包括して考える問題です。

・BYODの普及率

コロナ禍前の統計となりますが、日本におけるBYODを許可している企業の割合は10.5%と諸外国と比較すると低い数値となっております。

(出典)総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd132110.html

BYODのメリット

・企業の端末購入・維持コスト抑制

通常は会社が購入するスマートフォンやパソコンなどの業務用端末ですが、私物端末を利用することで会社側が端末を購入するコストや毎月支払う通信費用を抑えることができます。

・習熟スピード向上

会社が端末を購入する際は、使用環境、使い勝手など考慮して購入するとは思いますが、すべての従業員が使いやすい端末を揃えることは、現実的には困難です。
いっぽうBYODは従業員が普段使い慣れている端末を使用することにより、習熟に関わる時間やコストを削減することが出来ます。

・シャドーITの抑制

前述したようにBYODとシャドーITの相違点は、私物の利用を会社が許可しているか否かの部分になります。
BYODを許可するのと同時にスマートフォンの管理ソフト(MDM)の導入や紛失時のルールなど一定の管理をすることで、シャドーITの抑制、歯止めの効果が期待できます

BYODのデメリット

・情報漏えい等セキュリティリスク

私物端末は、会社貸与の端末と違い、制限・制御をかけるにも限度があります。個人で利用するスマートフォンなどのICTデバイスでは、アプリの種別、インターネットのアクセス先等が広範になります。
その結果、情報漏えいのセキュリティリスクは会社貸与と比較して高まります。

・労務管理が複雑になる

私物のスマートフォンや自宅にあるパソコンなどを業務に利用することにより、仕事とプライベートの境界線があやふやになり、公私の線引きがあいまいになります。
その結果企業側で残業時間や勤務時間の管理が複雑になります。
働き方改革により、社会全体が労働時間短縮に向いている現在では、適切かつ慎重な対応が求められます。

・プライバシーとESの問題

BYODにより私物の端末を会社側も管理することになります。
そのことによって従業員のプライバシーが保護されない可能性もあるので注意が必要です。
どの程度まで会社が端末の扱い方に介入するのか、明確なルールを定めて契約書を交わすなどをして、会社側も従業員もお互いにルールを遵守することが重要になります。

私物の端末に会社独自の管理を適用することにより、シャドーITの抑制に一定の効果があるとメリットの欄でも述べました。
しかしながらその一定の管理をすることにより結果的に従業員のプライバシーを侵害することにつながる恐れもあります。
また、プライバシー保護を遵守していても、私物の端末を会社側が一定の管理をすることに心理的抵抗を感じる従業員が出てくることは充分に想定されます。

・通話通信費用の按分の課題

メリットで端末の購入費用と維持費用の削減と述べました。
しかしながら従業員側の立場からすると端末費用はともかく、「通信費用も個人負担なのか?」と疑問を感じる従業員は多いです。
一つの端末及び通信契約でプライベートと仕事利用を併用するBYODではデータ通信費用を完全にすみ分けすることは実質困難です。
プライバシーとESの問題でも述べましたが、会社側と従業員側で費用負担の部分もしっかりとした合意することが重要です。

BYODの導入は、会社保有以外(私用端末)のICTにまつわるセキュリティ対策が必要です。
さらにはプライバシー保護に加え労務管理などの事前対策が必要となります。
リスクマネジメントが複雑になることから、BYODが進んでいないとも考えられます。
企業がBYOD導入を検討する場合は、内包するリスクと費用削減を天秤にかけしっかりと見極めながら考えましょう。費用だけを鑑みて安易に導入することはお勧めしません。


エヌ・アイ・エル・テレコムでは、スマートフォンのご提供や業務活用から、セキュリティに纏わるMDMのご相談も承っております。
ご質問やご相談がありましたら、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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